歯ぐきの治療

歯周病って？

歯ぐきから血が出る、膿が出る。こういう症状をまとめて「歯周病」と呼びます。

ところで、ケガをしたわけでもないのに歯ぐきから血や膿やが出るようになるのは、いったいなぜなのでしょうか？

その原因は、歯の表面につく細菌の塊です。舌で触るとザラザラしたもの、これが細菌の塊でノリのようにネバネバしています。そして、この細菌が歯ぐきにイタズラをすると、血や膿が出ます。

この細菌の塊が長い間口の中に放置されると「歯石」という石になり、石のザラザラした表面にますます細菌が付きやすくなっていきます。

歯ぐきはこの歯石をきらい、汚れから逃げるように小さくなっていき、やがて骨までも溶けていきます。このころになると歯がぐらつき始め、やっと歯周病に気が付く方が大勢います。

でも、この段階で歯周病に気づいても遅いのです！！

とはいえ、そのぐらい自覚症状がないのも歯周病という病気の恐ろしいところ。だから、何も悪いところはないと思っているうちに、歯周病のチェックをしておいてほしいのです。

知らないうちに症状が進んで、気が付いたら何本も抜かなくてはいけない…なんて悲し過ぎます。

あなたには、そうなってから後悔して欲しくありません。

健康に長生きをしたい方に
知っておいてほしいこと

「人生100年時代」といわれるほど、平均寿命が長くなった日本。だからこそ、ただ長生きをするのではなく「健康で元気な長生き」を望む方が多いのではないでしょうか？

そのような理想の長生きを妨害するひとつの原因はさまざまな全身の病気ですが、実は近年の研究で、

・高血圧
・動脈硬化
・心筋梗塞、狭心症
・脳卒中
・糖尿病
・非アルコール性脂肪肝
・心内膜炎
・骨粗しょう症
・誤嚥性肺炎
・認知症

など、歯周病と数多くの全身の病気との関係が明らかになっています。

これらの病気、きっとあなたも「できればなりたくない…」と思う病気ばかりではないでしょうか？

もしあなたが「健康で元気な長生き」を望むのであれば、歯ぐきの健康にも目を向けてみてほしいと思います。

そろそろ赤ちゃんが欲しい方に
知っておいてほしいこと

実は、妊婦さんが歯周病にかかると、低体重児が生まれる確率が高くなります。そして、その確率は健康な方の７倍とも言われています。

歯周病は、喫煙やアルコール以上に注意すべきリスクとしてあげられていて、全国の産婦人科を中心に治療を勧めています。

「そろそろ赤ちゃんが欲しいなぁ～～」とお考えの方は必ず歯科医院を受診し、お口の健康を取り戻して、健康な赤ちゃんが授かるよう準備をしてくださいね。

歯ぐきをいつも健康な状態に保つには？

歯周病の治療は、まず歯周病の原因となっている細菌を歯科医院で取り除きます。そして、そのあとは歯周病の進行を予防するために1ヶ月～３ヶ月に１度、歯ぐきの健康チェックとクリーニングを兼ねた「メンテナンス」を行っていきます。

そうすることで、治療後の良い状態を長く保っていただくことと、万が一むし歯や歯周病が再発しても早期発見・早期治療ができ、最小限の治療で済ませることが可能になるからです。

「メンテナンス」では、

・歯ぐきの健康状態をチェック
・細菌や歯石のクリーニング
・日頃の歯みがきのアドバイス

などを行っています。

歯周病は一度かかると完全な治癒は難しく、油断するとすぐ再発する厄介な病気です。おまけに、自覚症状が無いのに全身に悪さをするというタチの悪い病気ですから、いつも健康な状態を保てるように「メンテナンス」に取り組んでいきましょう！

残せる歯は確実に残し
ダメな歯は抜き
全身の健康を考えた治療を

平成元年に、80歳で20本の歯を残そうという「8020運動」が始まりました。その活動がだんだん広がり、昭和の時代と比べると80歳まで自分の歯を20本以上残すことができている方がかなり多くなりました。これは、本当に素晴らしいことです。

この運動が広まったことで、歯科治療の在り方も以前のようにパッと抜いてしまうのではなく、残せる歯は多少時間がかかっても残す方針の治療へと変わってきました。もちろん、患者さんも以前のように「抜いてくれればいいから…」という方はとても少なくなりました。

この傾向は、私たちも喜ばしいことだと思います。しかしながら、「歯をやたら抜く歯医者はダメだ！」とTVや週刊誌で言われるようにもなってきたというのも事実です。

もちろん、むやみやたらと歯を抜くことはよくありません。でも、歯周病の進行具合によっては、歯を残すことが逆の他の歯に悪い影響を及ぼすことがあります。

というのも、歯周病の原因は細菌ですから、悪い歯にベッタリ付いた細菌が周りの歯に悪い影響を及ぼすことは十分ありうる話です。そのため、周りの歯を守るために悪い歯を抜いたほうが良いというケースもあるわけです。

また、前述のように歯周病が全身の健康に悪い影響を及ぼすこともあります。

ですから、あしはら歯科医院では、「残せる歯は確実に残し、ダメな歯は抜き、全身の健康を考えた歯周病治療」を行っています。